- この記事のハイライト
- ●自己破産による不動産売却は自己破産後と自己破産前のタイミングでそれぞれ売却方法や注意点が異なる
- ●自己破産前に不動産売却するメリットは、売却費用を売却価格に含めることができる点や市場価格に近い金額で売却できる点である
- ●自己破産前の不動産売却は、ローンが完済していれば通常の不動産売却ができ、ローン残債があれば任意売却となる
不動産を所有しており自己破産を検討している場合、不動産売却をおこなうタイミングを考える必要があります。
できるだけ高く売却して負債を減らすためには、タイミングの見極め方や売却方法について理解しておくことが大切です。
そこで、自己破産に伴う不動産売却のタイミングや自己破産前に売却するメリットなどについて解説します。
名古屋市の南区・港区・天白区・緑区・瑞穂区を中心に名古屋市全体で、不動産売却をご検討中の方はぜひこの記事を参考になさってください。
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自己破産による不動産売却のタイミングとは?
自己破産に伴って不動産売却する際は「自己破産後」か「自己破産前」のどちらかのタイミングによって、売却方法や注意点が異なります。
ここでは、2つのタイミングによる不動産売却について解説します。
自己破産後のタイミングでおこなう不動産売却
自己破産後のタイミングで不動産売却をおこなう場合は「破産管財人が売却する方法」と「自分で売却する方法」との2つに分けられます。
それぞれのケースについて見ていきましょう。
自己破産後①破産管財人が売却する方法
不動産などの高額資産を所有している方が自己破産をする場合は「管財事件」として扱われます。
管財事件とは、破産管財人が選任される自己破産手続きのことです。
破産管財人は、裁判所に選任された弁護士です。
破産管財人は自己破産した方に代わって、資産状況を調査し不動産売却をおこないます。
また、なるべく多くの売却益を債権者に配当する役割も担っています。
このように自己破産をすると、破産管財人以外は売却できなくなるため注意しましょう。
さらに、自己破産後に不動産売却する場合は、破産手続きに必要な予納金を納める必要があります。
予納金の金額は負債総額や裁判所によって多少変動しますが、負債総額が5,000万円未満の場合は70万円程度かかります。
自己破産後②自分で売却する方法
所有する資産の内容によっては管財事件として扱われない場合もあります。
管財事件とならなかった場合は、破産管財人は選出されません。
その場合、自己破産手続きと同時に破産の手続きが完了する「同時廃止事件」として扱われます。
このようなケースの多くは、住宅ローン残債が売却価格を上回っている「オーバーローン」状態の場合です。
なお、破産管財人が選出されなかった場合は、自分で不動産売却をおこなうことになります。
ただし、オーバーローン状態の場合は、金融機関の同意を得て「任意売却」をおこなうことになります。
なお、債権者である金融機関の同意が得られなければ、最終的に競売にかけられる可能性があるため注意しましょう。
自己破産前のタイミングでおこなう不動産売却
自己破産前であれば、処分を自由におこなえるため、通常の不動産売却と同じように売却を進めることになります。
あらかじめ不動産を売却して管財事件にしなければ、高額な予納金を納める必要もありません。
ただし、自己破産前の売却は「財産隠し」と見なされることがあります。
財産隠しと判断されると「免責不許可事由」に該当し、負債が免除されなくなるため注意しましょう。
財産隠しでないことを証明するためには、破産管財人が売却をおこなった場合と同等程度の金額が配当原資として用意されていることが求められます。
なおかつ、破産管財人が売却をおこなった場合の金額を査定書や不動産鑑定などで証明する必要があります。
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自己破産前に不動産売却するメリット
自己破産前に不動産売却することは、財産隠しを疑われる点に注意は必要ですが、それ以上のメリットもあります。
メリットは以下の3つです。
- 売却にかかる費用を売却価格に含むことができる
- 高く売却できることがある
- 引っ越し費用を捻出できる可能性がある
上記3つのメリットについてご説明します。
メリット①売却にかかる費用を売却価格に含むことができる
不動産売却では、仲介手数料や印紙税、抹消登記費用などさまざな費用がかかります。
しかし、自己破産前であれば、これらの費用を売却価格に含めることができます。
自己負担の金額を減らすことができるため、メリットと言えるでしょう。
メリット②高く売却できることがある
自己破産前に不動産売却をおこなえば、市場価格に近い金額で売買することができます。
一方で自己破産後に競売にかけられると、市場価格よりも低い価格で落札されることになるでしょう。
そのため、自己破産前に売却すれば、自己破産後の売却よりも高く売却できるメリットがあります。
高く売却できれば、それだけ債権者に返済することができるため、負担を減らすことができます。
メリット③引っ越し費用を捻出できる可能性がある
売却金額によっては、新居に引っ越すための費用を捻出できる可能性があります。
引っ越し費用が認められるかは債権者との交渉次第ですが、一般的に10~20万円を工面してもらえることが多いです。
また、自己破産で必要な弁護士費用や手続き費用も捻出することが可能です。
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住宅ローン返済の有無によって変わる自己破産前の不動産売却とは
自己破産前に不動産売却する場合は、住宅ローン返済が残っているか否かで売却方法が異なります。
ここでは「住宅ローンを完済している場合」と「残債がある場合」の2つのケースについて解説します。
住宅ローンを完済している場合の売却方法
住宅ローンの返済が完済している場合は、債権者による抵当権が設定されていないため「通常の不動産売却」をおこなうことができます。
通常の不動産売却は以下の流れでおこないます。
- 不動産会社へ査定依頼
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動の開始
- 買主と売買契約を結ぶ
- 決済・引き渡し
不動産会社と媒介契約を締結したあとは、不動産会社主体による売却活動が始まり買主を探します。
売り出し価格は、市場価格などを参考にしながら決めていきます。
購入希望者が現れたら価格交渉などをおこない、その後売買契約を締結し決済・引き渡しをする流れです。
ただし上記でもご説明したように、自己破産前の売却は財産隠しとみなされることがあるため、とくに注意が必要です。
住宅ローン残債がある場合
住宅ローン残債がある場合は「任意売却」による不動産売却をおこなうことになります。
任意売却とは、不動産売却後に住宅ローンが残る場合に、金融機関の同意を得て売却する方法です。
そのため、まずは金融機関に自己破産と任意売却を検討している旨を伝えてみましょう。
競売よりも任意売却は高い価格で売却可能なため、債務者が申し出れば同意してもらえる傾向にあります。
任意売却は金融機関の同意を得ることは必要ですが、その後は先述した通常の不動産売却と同じ流れで進めていきます。
また、任意売却は競売と違い、売主の経済事情などのプライバシーを守りながら不動産売却を進められる点がメリットです。
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まとめ
自己破産による不動産売却は、自己破産後におこなうか自己破産前におこなうかによって、売却方法や注意点が異なります。
また、自己破産前に不動産売却をおこなったほうが、高く売却できる可能性が高いでしょう。
自己破産前におこなう場合は、住宅ローンの有無によって売却方法が変わることにも注意が必要です。
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